東アジア杯出場22選手、識者5人の採点表

  • 藤田真郷●写真photo by Fujita Masato

「Bチーム」のほうが採点は高くなる――杉山茂樹

 中国戦=5.5。豪州戦6.5。韓国戦=5。日本のプレイ内容を採点すれば、2戦目の豪州戦が一番よかった。よいサッカーができていた。ところが、この試合に先発出場した選手は、中国戦(第1戦)、韓国戦(第3戦)の2試合には先発していない。ザッケローニは今回選んだ23人をA、B2つのチームに分け、A、B、Aの順で3試合を戦った。したがって、僕の採点では、出場時間の少ないBチームの選手(ザッケローニから高評価を得られなかった選手=我々の印象が薄い選手)の方が、Aチームの選手より採点がよくなりがちだという皮肉が起きてしまった。というわけで、僕の中でのMVPは、内容が最もよかった豪州戦で2ゴールを決めた大迫。少なくとも採点を通して眺めるとそうなる。


GK 
西川周作  6 中国戦より韓国戦のほうが相手の攻撃にタイミングが合っていた
権田修一  6
中国戦の西川より良い感じだったが、韓国戦のスタメンは西川に譲った。3番手のポジションを脱出できず?
DF 
駒野友一  5.25
代表経験が最も多い選手だが、それにふさわしい格上感を発揮できず。余裕のあるプレイは見られずじまい
森脇良太  6
豪州戦の出来は悪くなかった。が、ザッケローニからは、このチームで4番手のサイドバックとして見られているようだ
栗原勇蔵  5.25
自己演出が巧くないタイプ。何より、プレイぶりに不安定さを感じる。間の悪さを感じる。悪役キャラを前面に押し出した方が、相手には嫌な存在に見える
鈴木大輔  6
出場機会は2試合目(豪州戦)のみ。栗原、森重の後塵を拝した感じ。結局、日本のウィークポイントであるCBに戦力的な底上げはなかった
森重真人  6 
全体的にパワーに屈していた。ミスはなかったが、相手に対し、終始押され気味。後手を踏んでいた
千葉和彦  5.5
豪州戦。日本は2対0リードの状況から、連続ゴールを奪われ、2対2にされたが、ザッケローニはその責任を千葉に求めた。栗原と交代でベンチに下げ、なおかつ、下がってきた彼と握手を交わそうとしなかった。
槙野智章  5.25
自分のペースで、ノリよくプレイできているときは輝くが、チームが劣勢で、定石通りの確実なプレイが求められる時には、必要な存在には見えなくなる
徳永悠平  5.5 
豪州戦の決勝アシストは光るが、左サイドバックを、右利きが強調されたプレイフォームの選手が演じることに、スムーズさ、円滑さを感じない
MF 
山口 螢  5.5
工藤、栗原とともに3試合すべてに出場。だが、視野の広さに欠けるため、パスの展開力は今一つ。彼を経由すると狭いサッカーに陥った
高橋秀人  6
先発した豪州戦は日本が最も良いサッカーをした。高橋もその中心として活躍したが、韓国戦のスタメンは飾れなかった。ザッケローニの見る目が気になるところ
青山敏弘  6
代表に定着している高橋よりわずかながら長い時間出場した。代表入りの可能性は膨らんでいるのか?
扇原貴宏  6
出場は豪州戦のみ。しかも比較的早い時間に、ベンチに下がった。優勝を喜ぶことができない選手の一人
工藤壮人  5.5
3試合すべてに出場。ザッケローニから期待されている選手であることがハッキリした
齋藤 学  6
原口にもいえることだが、もう少しコンスタントにボールにからみたい。単体でプレイする機会が多すぎる
高萩洋次郎 5.75
中国戦で活躍。存在感を発揮した。特別な切れ味はないが、安定感と図太さがある
大迫勇也  7
1トップ下として出場した豪州戦で2ゴール。しかし、韓国戦には使われず。豪州戦は3戦の中で最もいい試合をしたが、それと大迫が1トップ下を務めたこととは大きな関係がある。大迫の1トップ下は、思いのほかいけそうだ
原口元気  5.75
韓国戦の決勝ゴールにつながるドリブルは見事。今大会、日本代表選手が見せたプレイの中で最も光るプレイだった
山田大記  6
確実なプレイができる計算できる選手。精神的にも安定していて、見るからに頼りになる。遠藤のバックアッパーとしても期待できそう
FW 
柿谷曜一朗 6.75
韓国戦に限った採点は7.5。2ゴールはすばらしかったが、それが韓国の普通ではあり得ない大ミスに起因していることは確か。柿谷万歳と言って喜びすぎると、本質を見誤る恐れがある。日本が演じた韓国戦のサッカーは最悪だった
豊田陽平  6
豪州戦での大迫と縦のコンビは上々だった。展開は広くダイナミックになり、支配率も上昇。パスサッカーなのに支配率が上がらない日本サッカーの癖は、この試合に限り解消された。豊田と大迫のコンビはそれに一役買っていた

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