2試合6得点。ザックの目に止まった新戦力は誰だ? (2ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 オーストラリアとの関係について触れたのは、山田も同様だった。オーストラリアの守備の酷さを考えれば、もっとやらなければならない、と考えているようだ。

「練習の成果はすごく感じましたけど、正直、あれだけスペースを与えてくれる相手はなかなかいない。ちょっとルーズだったので、攻撃に関してはストレスなくできた。90分通してバイタルエリアが空いているなんて、Jリーグでもない。サイドもルーズでラッキーでした。サイドでもっとガチャガチャ潰しに来られたら、周りとの関係性がまだしっかり築かれていない分、難しかったはずです。あれだけスペースがあれば、アピールというより、できて当たり前。だから、もっと決定的な仕事をしたり、点を取りたかった。正直、中国戦のほうが難しそうでしたね」

 一方、不慣れなトップ下だった大迫は、ボールを受けるタイミングやポジショニングを掴めなかったのか、前半、ボールが足に付かない場面が多かった。裏を狙って相手ディフェンスラインを押し下げるなど、貢献していないわけではなかったものの、フィニッシュにはほとんど絡めなかった。

 だが、後半に入って1トップの豊田のそばでプレイすることで持ち直し、2ゴールを叩き込んだ。いずれも豊田との連係から奪ったゴールで、フィニッシュのうまさ、勝負強さを指揮官にアピールした。

「本当はトップでやりたかったんですけど、割り切ってやるしかない。一応、2トップと言われていたけど、気を利かせてちょっと下がるようにとも言われていたので、1トップのような形になったんです。あそこで僕が下がらないと大変なことになりますから。トヨさん(豊田)とは良い関係が築けたと思うけど、ミスもあった。もっと精度を上げていけば、もっと良いプレイができると思います。ここで終わらず、代表にもっと居続けたいですね」

 また、的確なポストワークと絶妙なフリックパスで大迫のゴールを演出した豊田は、試合後、悔しさを素直に表した。彼の口からいったい何度、「ゴール」「得点」という言葉が聞かれたことだろう。

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