【なでしこ】東アジアカップ初戦。中島依美が感じさせた「新戦力の可能性」

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

代表6戦目にして初ゴールをあげた中島依美代表6戦目にして初ゴールをあげた中島依美 東アジアカップ3連覇に向けての初戦であること、湿度の高いピッチであることを考えれば、まずまずのスタートを切ったと言えるだろう。

 佐々木則夫監督がなでしこジャパンの指揮を執った2008年。佐々木監督の初陣となる同大会で、初めてなでしこたちはタイトルを手にした。前回大会では連続優勝を果たし、今大会は3連覇を狙っている。もちろん、結果だけが欲しい訳ではない。

 今や、なでしこジャパンは世界チャンピオン。右胸にその証をつけてプレイすることを許された唯一のチームである。彼女たちの戦いには、敵味方を越えて熱い視線が集まる。ただ勝つだけでは納得してもらえない立場になった。キャプテンの宮間あやは今大会の「3連勝で3連覇」を公言。2011年ドイツワールドカップ以降、"世界"との戦いで確実に積み重ねてきた力と自信、そして失敗を恐れない挑戦を体現する場がこの東アジアカップだ。

 湿度も高く、立っているだけでも蒸し暑さにため息がこぼれそうな夕方16時15分のキックオフ。なでしこジャパン初戦の相手は中国だ。かつて女王としてアジアに君臨し続けた中国も、世代交代の真っただ中。今大会も若手が多く招集されている。だからこそ怖いのは、スタミナあふれるハイプレッシャーだ。予想通り、中国は猛烈にプレスをかけてきた。その勢いに押された立ち上がりではあったが、カウンターを狙う中国に対し、岩清水梓、熊谷紗希らを軸に守備陣が落ち着いて対応。慌てず、焦らず、相手の手の内を確実にひも解いてチャンスを狙う――意図は明確だった。

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