代表初招集、山田大記はただひとり本田圭佑に代わり得る存在である (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「プロはメンタルだと思います」

 山田は噛み締めるような口調で語っている。

「自信がないと、自分を守ろうとして閉鎖的になったりする。なんでもない味方のプレイに苛々したり、カリカリしてしまう。余裕があるときは、周りも見えているんですよ。だから、自分のメンタルがどんな状態かというのはすごく大事。例えば常に人の話を聞ける、オープンな気持ちでいようと心掛けています。メンタルが充実していたら、可能性は無限大だと思っているので」

 そう語る山田は、まったく悪びれたところがない。

「ルーキーの頃は本当にいろんなことを考えて、1試合終わるとひどく頭が疲れていました。試合を重ねることで、頭が整理できるようになって戦えるようになってきたと思います。そして経験を積んで自信も付いてきました。ただ、ずっとプロの世界にいると、今度は頭の中が飽和状態になってしまうというか、刺激が欲しくなったりもするんですよ」

 おそらく、山田の器はすでに満たされたのだろう。東アジア杯において日の丸を背負うことで、彼はその器を大きくするはずだ。器を満たし、大きくする、その作業を繰り返していけば――。

 彼は遠からず本田としのぎを削るような選手になる。

※東アジア杯日程
7月21日 日本×中国
7月25日 日本×オーストラリア
7月28日 韓国×日本

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