チーム力を上げるために、今こそ中村俊輔や闘莉王を招集すべき (2ページ目)
大事なことは、ボール保持者の周囲の動き。選手ひとりひとりが、オフ・ザ・ボールの動きの質を高めて、多くのパスコースを生み出し、ボールを持つ選手のために、いろいろな選択肢を増やしてあげることが大切だ。
そして、ボールを持つ選手には、瞬時の判断が求められる。どこにパスを出すのか、それともドリブルで仕掛けるのか、素早く決断しなければいけない。それらがスムーズに実践できるようになれば、相手に自分たちの間合いに入らせず、自分たちのリズムで攻撃を作っていけるはずだ。
今の選手たちならば、十分にできることだと思う。技術も、アイデアも、彼らにはある。あとは、ほんの少し意識を高めるだけでいい。
そのためにも、これからの1年が貴重な時間になる。まず、選手たちはコンフェデで体感した感覚を忘れずに、所属チームの試合でも常に高い意識を持って臨むことだ。そしてその実戦の中で、どんな相手でも、海外のトップレベルの相手だと想定して、敵の一歩先、二歩先を思い描きながら、判断のスピード、プレイのスピードや質を高めていかなければいけない。
もしそれができなければ、W杯でもコンフェデのブラジル戦が再現されるだけだ。頭の中をフル回転させて、自分たちの容量を超えるほど動き回っても、相手に振り回されて終わってしまうだろう。逆にそれができれば、ひとつひとつのプレイにも余裕を持って対処できるようになり、世界の強豪相手でも突破口を見出せるに違いない。
日本が世界で勝つためにやらなければいけないことは、まだある。肝心なのは、フィニッシュだ。その精度、正確さは、世界との差が随分あることをコンフェデでも痛感させられた。技術や判断を含めて、一層シュート力というものをレベルアップしていく必要があるだろう。
さらに、フィニッシュにいくまでの過程も物足りなさを感じた。いわゆる攻撃に厚みを増していかなければいけない。
例えば、クロス。ブラジルやイタリア、メキシコにしても、クロスに対しては、複数の選手がゴール前に飛び込んできていた。日本も、クロスに反応する選手の人数を増やすのはもちろんのこと、ゴール前に入っていくタイミングを良くして、より多くの決定機を作っていかなければいけないだろう。
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