世界と戦えるサッカーを実践するためには、本田圭佑はいらない

  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

識者が語る「ザックジャパン改造計画」(2)
鈴木良平氏

コンフェデレーションズカップの惨敗を踏まえて、日本代表が1年後のW杯で結果を残すためにはどうすればいいのか。今回は、ブンデスリーガのS級ライセンスを持ち、世界のサッカーに精通している鈴木良平氏が分析する――。

ザックジャパンの絶対的な存在になっている本田圭佑だが......。ザックジャパンの絶対的な存在になっている本田圭佑だが......。 コンフェデレーションズカップ(以下、コンフェデ)を終えてはっきりしたことは、今の日本代表は「世界の頂点を目指す」なんて、とても言えるようなレベルにはないということだ。

 もちろん目標を高く持つことはいい。だがその一方で、現実もしっかりと見なければいけない。しかも、W杯までに残された時間はあと1年しかないのだから、もっと現状を直視して、グループリーグをどう戦い、決勝トーナメント(ベスト16)に勝ち上がるにはどうしたらいいか、ということを真剣に考えるべきだろう。

 ただし、前回の南アフリカW杯と同じようなサッカーでベスト16入りを目指すのでは、意味がない。あのときは、超守備的サッカーで、ひたすら守りに徹して何とか勝ち点を拾っただけ。今回のW杯では、それよりもひとつ上のレベルのサッカーをして、ベスト16を狙いにいかなければいけないだろう。そもそも、ザッケローニ監督を呼んだ背景には、そういう目的があったはずだ。

 実際、彼が監督に就任した直後のサッカーは、ある意味、日本サッカー界に衝撃を与えた。サッカーはゴールを目指すスポーツなんだ、ということがシンプルに伝わってくるスタイルで、見ていてとても面白かった。

 ザッケローニ監督にはもう一度、その原点に立ち返ってもらいたい。

 それを踏まえたうえで、今のチームの修正点を考えると、コンフェデを通して浮き彫りになったディフェンス面の問題が、いちばんにクローズアップされる。

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