2013.07.12

緊急座談会。W杯まで残り1年、「ザックでいいのか?」

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva
  • photo by AFLO

飯尾 ブラジルとはあまりにも実力がかけ離れているから、第3戦のメキシコ戦が一番、日本代表の実力を図るに大事なゲームだったと思います。

中山 ブラジル戦も、イタリア戦も、勝ったからといって参考にならないレベルの相手なんです。本当の実力差は、かなりあるから。その意味でも大事なのは、メキシコ戦でした。でも、日本は勝てなかった。

杉山 3連敗だとガックリくる、1点差なら負けても善戦したと喜ぶ。それって違うと思うんだよね。紙一重の3点差負けもあれば、埋まることのない1点差負けもあるんだし。世の中があまりにもスコアありきなのもどうかと。

中山 ファンの人は期待して見ようが、スコアに一喜一憂しようが自由でいいんです。でも、結果や内容に対して、メディアがどのようにしっかり伝えるか、そこが重要だと思います。

杉山 そうそう、日本なんてまだ世界ランキング37位だよ。ワールドカップの位置づけで考えるなら、グループリーグの最下位か、良くて3位。そのレベルなんですよ。でも、それを世間に伝えるとみんな冷めるから言えないという風潮がある。今はロシアとかベルギーとかの中堅国が、どんどん実力を伸ばしている。日本だけが成長しているんじゃないんだから。そういうことも伝えないと、「ワールドカップでベスト4だ」とかメディアが言っちゃいけない。

ザッケローニに託すべきか、それとも代えるべきか?

――ワールドカップまで残り1年を切りましたが、このままザッケローニ監督に任せていて大丈夫なんでしょうか?

中山 解任する、継続させる、という議論は置いといて、このままの状態ではダメでしょうね。まずザックは、就任時と現在とでは、「別人になったな」という印象です。ザックジャパン初戦のアルゼンチン戦(2-1/2010年10月8日)や、2戦目の韓国戦(0-0/10月12日)のときのスタイルは、「やっと日本にも世界レベルが導入されるかな」という期待感がありました。それが就任して3年、ザックが『日本人化』してきたように感じるんです。

飯尾 たしかに、ザックは日本人っぽい感じになってきましたよね(笑)。周囲の意見を気にして、自分のやりたいことを押さえ込んでいるような......。就任直後のザックは、短期間で自分の色を出して、効率的なサッカーを披露してくれました。また、サブメンバーのマネージメントも、李忠成や伊野波雅彦、細貝萌、西川周作など、うまいこと起用して新しいカラーを打ち出したと思います。しかし、最近は変わってしまいましたね。ただ、ザックがかわいそうなのは、就任3ヵ月後にアジアカップがあって、東日本大震災でコパ・アメリカに行く話も流れて、その直後に3次予選、そして最終予選......。自身初めての代表監督ですし、アジアのホーム&アウェイも初の経験ですから、大胆に動けなかったのではないかと。まずは最終予選を勝ち抜けることが最大のミッションだと背負い込んだ結果、メンバーを固定して安定を求めたくなったんでしょうね。

中山 どうも最近のザックは、周囲の声を気にしすぎじゃないかな。本大会出場を決めたオーストラリア戦も、「ここで決めないとまずい」という意識ばかりに偏っていたような感じがして。「負けても最終的に決めればいいんでしょ?」という悪びれもしない態度ならイタリア人っぽかったのに......(笑)。とはいえ、今すぐザックを解任して新しい監督をイチから探すというのは現実的ではない。準備もせずにザック以上の人材を連れてくるのは難しいでしょう。となれば、原博実技術委員長にはどういう意図でザックを呼んだのかを思い出してもらって、コンフェデを終えた段階でザックと議論してもらいたい。だって、原さんはザックの雇い主なんですから。

杉山 日本代表監督の雇い主は技術委員長なんだってことが、サッカー協会の中で明文化されていないんだよねぇ......。