まだ遅くない。W杯で結果を求めるならば、監督交代が最適な手段

  • 渡辺達也●構成 text by Watanabe Tatsuya
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 いちばんの問題は、世界レベルのチームがプレスをかけてきたら、日本は何もできないということ。0-3で完敗したブラジル戦、1-2で敗れたメキシコ戦は、まさにそうだった。アジアレベルの相手とやるときと違って、日本は簡単にボールを失って、パスも満足につなげられなかった。

 イタリア戦に関しては、厳しい暑さに加え、中2日で試合に臨むイタリアが積極的にプレッシャーをかけてこなかった。あえて日本にボールを持たせてくれたから、自分たちのサッカーができたに過ぎない。実際、2点リードされたイタリアがちょっと反撃してプレスをかけ始めたら、日本はバタバタした。

 これこそが、日本と世界との差。世界レベルのチームは、そのプレス、厳しいプレッシャーの中でもプレイできるが、日本はできない。それでは、とても世界レベルでは戦えない。

 そして、世界と戦ううえで大きな課題となったのが、セットプレイからの失点。その多さは、致命的と言える。

 この問題は、W杯アジア予選から露呈していた。にもかかわらず、不動のメンバーで試合を続けてきて、それが修正できないというのは、練習の量ではなく、質の問題。要するに、欠点があるのだ。それは、誰が見ても明らかなように、高さだ。対戦相手にしてみれば、吉田麻也がマークする選手を外してボールを入れればいい、という簡単な作戦で点がとれてしまうのだ。

 また、監督の采配も問題だった。ザッケローニ監督が何をしたいのか、よくわからなかった。いきなり岡崎慎司を1トップで起用したり、試合の途中で変えたシステムをすぐに戻したり、試合終了間際に選手を交代したり、誰もが疑問を持つ采配が目立った。3連敗という結果だけでなく、その内容から見ても、代表チームを率いて、世界で結果を出せる監督ではないことがよくわかった。

 こうした現状を見る限り、日本がそれなりの結果を出すには、12月のドロー(W杯抽選会)で、日本と同じグループに強い国が入ってこないことを祈るしかない。

 では、ドロー頼みにしないためには、何をすべきか。答えは簡単、監督を代えるのが最適だ。

 コンフェデで3連敗して、おまけに内容も悪かった。それでも、監督を代える、代えない、という議論が高まらないのが、不思議なくらいだ。W杯で結果が求められる国なら、3連敗という結果に終わった瞬間、次期監督候補の名が新聞紙上を騒がせていたことだろう。

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