コンフェデ杯、全敗。「3試合9失点」を守備陣はどう考えているのか? (2ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 裏を返せば、こうした時間帯を見逃さないところに、日本と世界の差が存在する。

 それについて、「余力が残っている」という独特の言い回しで分析したのは、メキシコ戦で今大会初めて出場したセンターバックの栗原勇蔵だ。

「日本はいつも、いっぱいいっぱいというか、全力でプレイしているから、ここぞというときに力を発揮しにくいのかもしれない。世界はうまくサボって余力が残っているから、ここぞという場面で力を発揮できるんじゃないかな」

 一方、3試合すべてでゴールを守った川島永嗣は、日本の試合運びの拙(つたな)さを指摘する。

「確かに世界は、ちょっとした隙も見逃してくれない。逆に僕らは、そのあたりの経験が不足している。試合巧者にならなければいけないし、奪われてはいけない時間帯では絶対に奪われないなど、もっとうまい試合運びを身に付けなければならないと思う」

 強豪国の強豪国たるゆえんは、セットプレイにおいても見て取れる。30分ほど前に終わったばかりのゲームを思い出しながら、今野が言う。

「キッカーの精度は高いし、マークの外し方もうまい。それに工夫もしてくる」

 メキシコ戦の2失点目は、まさにその言葉どおりのものだった。66分のコーナーキック、ミエルがニアで後方にボールをずらすと、内田篤人のマークを外したエルナンデスが仕留めてみせた。ワンクッション入れることでタイミングをずらし、マークを外しやすくしたのだ。

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