中村憲剛が語るvsイタリア「日本はもう、何かを得るだけではダメ」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●構成 text by Sato Shun
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 自分は、後半46分に出場のチャンスをもらってピッチに立った。ベンチで見ていたときから、中盤はボールが回せていたので、その流れの中に入りながら、いかにフィニッシュに絡むか、というイメージを持っていた。けど、入ったポジションはトップ下ではなく、ボランチだった。ザッケローニ監督になってからは、代表では初めてやるポジションだったし、監督からは何も言われなかったので、どうしようかとやや戸惑いがあった。

 結果、(ハーフナー・)マイクが中で構えていたところに、何とかクロスを1本入れたぐらいで終わってしまった。速いクロスボールだったら、GKのブッフォンも取れなかったと思うので、ちょっともったいなかったかな。まあ、残り時間が少なかったし、3-3の状況で出場していれば、もう少しいろいろとやりようがあったと思うんだけど……。

 2-0で勝っていた試合を3-4で落としたのだから、「悔しい」という気持ちしかない。内容的にも、先制して、引っくり返されても追いついた。イタリア相手に、かなりのチャンスを作ることできた。自分たちからアクションを起こして戦えば、「これだけできるんだ」というのは示せた。それだけに、負けたことが余計にショックだった。

 これで、ブラジル戦、イタリア戦と、2連敗を喫した。それは、素直に受け入れなくてはいけない。イタリア戦では、ブラジル戦よりも得るものがすごく大きかったと思うけど、もう、何かを得るだけではダメ。世界とはすごく差があるのかというと、そんなに大きな差はないと思うので、結果を出さなければいけない段階にきている。

 では、どうやって勝つのか、いかにして勝ち切るのか。それが、次のメキシコ戦で試されることになる。

 自分たちと似たスタイルのチームと真っ向勝負して、今度は内容と結果が求められる。「いい試合をした」では、もう終われない。もちろん、今の日本ならきっと、それが実現できると思う。

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