イタリア戦で見えた、日本が「強いチーム」になるためのカギ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 事実、昨年10月にブラジルと親善試合で対戦したときには、日本は持ち味であるパスワークをかなり発揮できていたが、このときのブラジルは引いて構え、最後のところだけは突破させないという守り方をしていた。

 低い位置から落ち着いてパスをつながせてもらえば、かなりの強豪相手でもリズムをつかむことができる。だが、一度高い位置からプレッシャーをかけられると、ブラジルはおろか、仮に同等以下の相手であっても途端に慌てふためいてしまうのが、今の日本なのだ。

 これは日本代表に限った話ではない。年代別代表やJリーグ各クラブなど、日本のチームにおしなべて共通する「弱点」でもある。

 確かにイタリア級の相手であっても、現在の日本代表の力は十分に通用した。ただし、それは相手の戦い方次第という部分が大きい。

 高い位置から厳しくプレッシャーをかけてくる相手に対してでも、どれだけ日本らしさを発揮できるか。日本代表が「いいチーム」止まりでなく、ワールドカップで上位に進出できる「強いチーム」になるためのカギは、そこにあるのだと思う。

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