イラクに辛勝。日本は本田抜きでも4-2-3-1で戦えるのか? (3ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • スエイシナオヨシ●写真 photo by Sueishi Naoyoshi

「(長友)佑都くんと話し合って後半は修正できたと思いますけど、相手が上がってくるっていうことは、自分たちが引き過ぎているっていうことでもある。自分が前にポジションを取ってプレイできなかったことが、相手にガンガン来られた理由だと思うので、自分がもっと攻撃に専念すれば良かったと思います」

 とはいえ、今野も讃えているように、香川とのコンビネーションで好機を作ったのも事実である。なかでも26分、左サイドに流れた香川にボールを預け、ゴール前のスペースに入り込んで香川からのリターンをシュートにつなげたシーンは、日本が迎えた最初の決定機。流れるような動きは、ふたりのイメージがシンクロしていることを感じさせた。

「真司くんのことは常に見ていますし、真司くんを使って、自分も使われて、というのは常に考えていますね。今日もふたりの距離感は良かったと思います。でも、崩し切っても、最後はオカさん(岡崎)のように仕留めなければいけない。だから悔しいですね、今日は……」

 それまで冷静に、丁寧に質問に答えていた清武が少しだけ語気を強めたのは、こんな質問をしたときだった。「限りなくレギュラーに近い位置にいると思うが、この先、ポジションを確かなものにするには、何が必要だろうか?」と言いかけたとき、質問にかぶせるようにして、清武は言った。

「そんなこと俺は思ってないし、今日のプレイを見ても、まだまだ全然ダメ。コンフェデもありますし、いつチャンスが来るか分からないですから、今日のことを反省して、しっかり準備したいと思っています」

 香川をトップ下、清武を左サイドハーフとして起用するシフトは、まだオプションの域を脱していない。だが、もし、この布陣にザッケローニ監督が確かな手応えを感じる日が来れば、本田を1トップで起用するなど、チームに新しい可能性が生まれてくる。

 コンフェデレーションズカップで、香川と清武は2列目で再び絶妙なコンビネーションを奏(かな)でられるだろうか。ブラジルとの初戦は、3日後に迫っている――。

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