「消化不良」のイラク戦。コンフェデに向け残った大きすぎる不安 (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 こうした展開に陥ったことについて、ザッケローニ監督は、「判断力が鈍った」ことや、「チームがコンパクトに連動できなかった」ことをまずい試合内容の要因として挙げながらも、いずれも「暑さと風の影響があったと思う」とした。

 確かに、日の差す時間は40度近くまで気温が上がり、バックスタンドに掲げられた両国の国旗をちぎらんばかりの強風は、熱風と化して選手たちを襲った。

 加えて、ピッチコンディションも万全とは言えず、ピッチ上のあちこちでボールは不規則にバウンドした。

 それでも今野は「相手のレベルが高かった」と言い、こう続ける。

「相手はDFラインからの持ち出しもうまかったし、前線の動きもよかったのに、自分たちはミスが多かった。条件は相手も同じなのだから、言い訳はできない」

 まさにその言葉どおりだろう。

 言い訳を探せば、理由はいくらでもつけられる。暑かったこと。ピッチコンディションが悪かったこと。本田圭佑がいなかったこと。これまであまり試合に出ていなかった選手が何人か加わっていたこと、などなど。

 だが、そうした要素を加味してもなお、あまりに残念な試合だったと言わざるをえない。

「この相手に日本代表はもっとやらなきゃいけない。消化不良だった」

 そんな今野の言葉に全面的に同意する。

 苦しい試合ながらも、「チャンスはたくさん作った」とザッケローニ監督。指揮官はこれまで出場機会の少なかった選手(ハーフナー・マイクや細貝萌など)についても、「止まることなく、精力的に最後までよくやってくれた」と評価した。

 しかし、実際にプレイしていた選手の実感は違った。累積警告で出場停止だった長谷部誠に代わり、ボランチに入った細貝が悔しそうに振り返る。

「個人のミスが多かった。気温やピッチ状況を考えても多かった。(出場機会が少ないなかで)試合に出られたことはポジティブなことだが、できなかったことも多い」

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