ザックジャパンの「3-4-3」を機能させるキーマンは? (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

「前半は3-4-3、後半は4-2-3-1にしたが、内容的にはそれほど大きな違いはなかった」

 ザッケローニ監督はそんな言葉で試合を振り返ったが、これには(シニカルな意味を含めて)賛成できる。決して3-4-3のときだけが悪かったわけではないのだ。

「攻撃はなかなかうまくいかなかった。だが、ブルガリアはフィジカルが強く、高さ、体の厚み、スピードがあり、そういう選手がブロックを作って守ってきたことを考慮しなくてはいけない」

 ザッケローニ監督はそう言って、ブルガリアが守りを固めてきたことを強調した。加えて、「引いてスペースを消してくる相手に対しては、オフ・ザ・ボール(ボールを持っていないとき)の動きでもっと仕掛ける必要があった」とも語っている。

 しかし、個人の判断に委ねる部分は当然あるだろうが、まずは3-4-3というフォーメーションの特徴を生かすための原則(基本的なポジショニンニグや動き方)を徹底することが必要なのではないだろうか。あるいは、3-4-3に適した選手――ウイングタイプのFWや、上下動を繰り返しながらサイドへ散らせるボランチ――の抜擢も必要だろう。

 ブルガリア戦を見る限り、3-4-3の習得は試合を重ねれば解決する問題とは思えない。だからと言って、これ以上やっても意味がないとも思わない。

 既存の顔ぶれによる4-2-3-1に行き詰まりが感じられる以上、もっと“本気で”3-4-3に取り組んでもいいと思う。

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