ブルガリアに完敗。サイドハーフ内田篤人が語る「3−4−3」の未来 (3ページ目)

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 例えば、相手のサイドハーフには、内田ではなく、吉田が対応する場面が多い。そうした際、内田はタッチライン際に出て行った吉田と、センターバックの栗原勇蔵の間に入り、スペースを埋める決まりがある。こうした動きは3−4−3にトライしたときから入念に練習していたが、2011年6月のペルー戦やチェコ戦ではまだ、スムーズにこなせなかった。

「そのあたりの共通理解は、前よりもできていると思います。3−4−3の守備は、危ないなっていうエリアを連動して埋めていくイメージなんですよ。4−2−3−1でも変わらないけど、特に3−4−3のときは、そうした動きが多い。だから、危険察知能力の高い選手が多ければ多いほど、3−4−3の守備は機能すると思います」

 気がかりだったのは、守備における生命線であるはずの、サイドの追い込みを簡単にかわされていた点だ。コンディションの問題だったのか、あるいは、まだ慣れていないのか。

「意識の問題でもあると思います。相手も逃げるのがうまかったけど、もっとガツガツいって奪い切らないと。その1、2メートルを怠ったため、かいくぐられて逆サイドに振られると、ゴール付近まで50メートル近く戻らなければならなくなる。それは(戻ると戻らないとでは)かなりの違いだから」

 一方、攻撃面では、「テンポ」と「速さ」がカギを握るという。

「縦に攻め切る速さ、ボールを展開する速さが出てくるといい。相手をサイドに誘い寄せておいて、素早く逆サイドに展開できれば、サイドとしてはやりやすい」

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