ブルガリアに完敗。サイドハーフ内田篤人が語る「3−4−3」の未来

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

ブルガリア戦の前半、3−4−3の右サイドハーフとして出場した内田篤人ブルガリア戦の前半、3−4−3の右サイドハーフとして出場した内田篤人 0−2で敗れたブルガリア戦後の取材エリア----。いつもどおり先陣を切って姿を現した内田篤人は、「後半のほうが良くなるんじゃないかと思いきや、前半のほうが良かったんじゃね疑惑が(笑)」と、彼らしい言い回しで、試合を振り返った。

 前半は、2011年11月の北朝鮮戦以来、実に1年半ぶりに3−4−3で戦った時間帯である。試合が進むにつれて相手に疲れが生じ、後半から慣れ親しんだ4−2−3−1に戻したことで、流れは日本に傾いてもおかしくなかったが、実際にそうはならなかった。

「3−4−3は久しぶりだった割に悪くなかったと思います。慣れてくれば、もっとやれると思う」

 ザッケローニ監督の代名詞でもある3−4−3。中盤の4人がフラットに並び、サイドでは3人が縦に並ぶのが特徴的なこのシステムで、内田が務めたのは、「最も動きが複雑で、難しいんじゃないかな」と遠藤保仁も言う、サイドハーフのポジションだ。

 逆サイドにいる相手のボールホルダーにチーム全体でプレスを掛ける際には、中盤の中央まで絞ってスペースを埋め、自分のサイドの相手に対応する際には、ディフェンスラインまで下がって4バックを形成する。ボールを奪ったら、今度はタッチライン際で幅を取り、機を見てウイングを追い越し、裏に飛び出したり、フィニッシュまで持ち込んだりもする。サイドバック、サイドハーフ、ウイング、ときにボランチと、ひとり3役、4役をこなさなければならず、重要なタスクを担うポジションだ。

「とにかく運動量が多くて、ボールに行かなければならないから、乳酸が溜まるし、疲れる。うまくサボれるようになれば違うんでしょうけど、今はポジショニングや約束事を学んでいる段階で、そういうのをすべて理解したうえでなければ、サボれないから」

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