2013.03.31

【日本代表】なぜ日本人サイドバックは欧州で活躍できるのか

  • 写真●藤田真郷 photo by Fujita Masato

杉山 運動量についてですが、試合後半、どのくらいまでもつものですか。

名良橋 勝ってるときや、自分が活躍できているときはそんなに苦しくないんです。ただ負けていて、自分の良さも発揮できないでいるときは、疲れもどっとくる。細かくいうと後半の37分ぐらいですか。

杉山 中盤の選手がボールを持っていて、その背後をSBが上がっていく。ところがボールを持つ選手は一顧だにせず、中に入っていく。せっかく走ってきた選手からすると、ちょっとムッとすることはないですか。

名良橋 一瞬はあると思うんですよ。なんで使ってくれないの、と。でもSBが上がれば敵はそこに気を取られるので、そこはいかないと攻撃が成立しない。僕は使ってもらえなくても、それが何かの形でゴールにつながっていれば、やりがいがありました。5回行って5回使われなかったら言いますけどね、「使ってよ」と。

杉山 外国の選手はよく試合中に怒ったりするじゃないですか。あまり来ないと走るのも嫌になるという気持ちもわかります。

名良橋 そう感じたこともありますけど、いいタイミングで上がったから、今回は使ってくれるかな、と思うものですよ。ただそこで中盤の選手がボールを取られたときに、帰るのが辛いですね。シュートで終われば問題ないけれど、中途半端にとられるのは辛い。

杉山 しかもメディアには「名良橋が戻り遅れて失点した」とか書かれるし。

名良橋 「上がって裏のスペースを取られた」とかね。違うでしょう(笑)。記事を読んでいて「違うよ」、と言いたくなることはありました。

杉山 でも、メッシがカットインしてドリブルで入っていくのをよく見ていると、やはりダニエウ・アウベスが上がって幅をつくっている。無駄走りがあるからメッシがドリブルできているんですよね。

名良橋 もっと言ってくださいよ。その走りがないとメッシも生きない。メッシもそれを感じている。そこでとられると大変なことになるけど、メッシはとられないから。

杉山 過去の日本代表のSBを見ていると、やはり最後は疲れているのがわかったんです。みんな、「センタリングの精度が低い」とか言うのですが、その状態で精度の高いキックを蹴るのは無理だよ、と思いました。しかもいくら精度が高くたって、DFはもう構えている。これを精度のせいにするのってどうなの、という疑問がありました。

名良橋 その言葉、ありがたいです(笑)。味方の選手に合わせてクロスを出すのは必要ですけど、中には相手もいる。後半の残り5分、10分。たとえ僕がフリーでも、味方のFWはひとりで、DFは4枚ぐらいいて。負けていたらそこにクロスを合わせるしかないんだけど、実際には難しいですね。