【日本代表】内田篤人、酒井高徳...サイドバックの役割が変わった (2ページ目)

  • 写真●藤田真郷 photo by Fujita Masato

杉山 キックの技術が上がったということですか。

名良橋 それもあるし、ヨーロッパは芝があまり良くなくて安定してないじゃないですか。そこでやることで、下半身が鍛えられているような感じがします。

杉山 内田選手は鹿島時代よりぶれがなくなりました?

名良橋 明らかにレベルアップしていると思います。日本代表ではどうしても左のほうが注目されるけど、左でゲームをつくって、右で守備のバランスをとる、というチームです。内田選手は代表ではバランサーとしての重要な役割を果たし、シャルケではいいクロスを上げてアシストという結果も出している。

杉山 内田選手は何かが特にすごいということはないんだけど、はまっていますね。

名良橋 たとえば長友選手はそれこそ槍のような1対1での勝負に強い。スピードに乗ってプレイしたり、粘り強い対応をしたりすることができる選手です。酒井宏樹選手は高くて強く、そのわりに技術も高いものをもっている。内田選手の場合は、すべてにおいて無駄がないというか、簡単にこなしてしまうので、特徴がつかみにくいところがあります。だから「内田の良さは?」と聞かれたときに、戸惑うんじゃないでしょうか。ただクロスの精度も高いし、中盤もつくれる。守備でも破綻しない。完成されつつあるという意味ではラームとかに近いかもしれません。そこがドイツで評価されているのではないでしょうか。

杉山 ラームというのは、かつてのリトバルスキー、へスラー、トーンといった、ドイツの小柄な中盤の系譜に連なる選手だという気がします。それが今、SBをやっている。日本でいえば藤田俊哉がSBをやっているような感じです。

名良橋 昔のドイツのSBはカルツとかブリーゲルとか、屈強な選手がやっていましたよね。今はやはりボールをもてないと攻撃面で通用しなくなっているんでしょう。

杉山 SBに屈強なタイプがいなくなっているのは世界的な傾向かもしれません。

名良橋 イタリアでも、昔はベルゴミとかタソッティとかパヌッチとか、そういうタイプでしたよね。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る