【日本代表】内田篤人、酒井高徳...サイドバックの役割が変わった

  • 写真●藤田真郷 photo by Fujita Masato

ヨルダン戦に右サイドバックとして出場した内田篤人(シャルケ)。PKを獲得するなど、攻撃参加でチャンスを作ったヨルダン戦に右サイドバックとして出場した内田篤人(シャルケ)。PKを獲得するなど、攻撃参加でチャンスを作ったサイドバックの時代~前編

 守備はもちろん、攻撃にも欠かせないサイドバック(SB)というポジション。その果たす役割は時代とともに変化してきた。SBとは何か。サッカー指導者・解説者で、現役時代は日本代表、鹿島アントラーズなどでSBとして活躍した名良橋晃氏と、サッカーライターの杉山茂樹氏が語り合った。

杉山 欧州のサッカーでいうと、極論をいえば、SBが活躍するチームが勝つという人が増えています。逆に言えば、いかに相手SBを封じるかにもかかっている。今やSBはキープレイヤーと言ってもいいと思います。名良橋さんの現役時代に比べて、SBの役割が変わったのでしょうか。

名良橋 まずサッカーが戦術面で変化していることで、SBの持つ役割が大きくなっているというのがあると思います。

杉山 日本代表でいうと、名良橋さん、相馬(直樹)さんのころは、「槍(やり)」として「2人で頑張ってください」、みたいなところがありましたよね。

名良橋 完全に槍でした。

杉山 今ももちろん槍の要素はあるけれども、中盤的なパスで崩していく仕事もする。酒井高徳選手などを見ていると、そう感じます。

名良橋 より攻守において試合に絡んでいくポジションになったのかなという気がします。日本人についていうと、ヨーロッパでプレイする選手が増えていることによって、そのプレイ自体も変わっています。

杉山 ヨーロッパでプレイしている日本のSBの選手を見てて感心するところはありますか。

名良橋 内田選手も長友選手もそうですが、クロスを上げる瞬間にぶれがない。特に下半身がぶれない。だからとんでもないところにボールが行くことはまずありません。

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