【日本代表】ヨルダン戦。「憲剛バージョン」という新たな武器は通じるか

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Sawada Jinten/AFLO

カナダ戦の後半からトップ下で出場し、チームにいいリズムをもたらした中村憲剛カナダ戦の後半からトップ下で出場し、チームにいいリズムをもたらした中村憲剛 勝てばワールドカップ出場が決まるアジア最終予選ヨルダン戦が、いよいよ3月26日、ヨルダンの首都アンマンで行なわれる。

 前日会見に臨んだザッケローニ日本代表監督の言葉を借りれば、「我々にとって予選突破のための大切な試合」である。イタリア人指揮官は「ホームでのヨルダンは違ったチームになる。日本での試合(日本が6対0で勝利)のようにはいかない」と警戒を強めながらも、「明日のゲームで決めたい」と意気込む。

 それと同時に、今回のヨルダン戦は、日本代表が本田圭佑、長友佑都というふたりの中心選手を欠いて戦わなければならないという点においても、大きな注目を集める。

 図らずも前日会見では、ヨーロッパの記者からふたりが欠場する影響についての質問が出るなど、関心が高いのは当事国にとどまらない。

 日本時間23日に行なわれたカナダとのテストマッチでは、これまで本田が務めてきたトップ下に、前半は香川真司が、後半は中村憲剛が入った。いわば、ふたりの候補が平等に試されたわけだが、チーム全体がより高いレベルで連動したのは後半、すなわち「憲剛バージョン」のほうである。

 カナダ戦の前半を「中盤の真ん中のところで自分たちがボールを持てていなかった」と見ていた中村は、「自分が(中盤に)顔を出すことによって数的優位を作って、もうちょっと自分たちの間(ま)でボールを回したかった」と、自らがピッチに立った後半を振り返る。

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る