【なでしこ】初戦は屈辱のノーゴール。アルガルベで若手は成長するのか? (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko photo by Hayakusa Noriko

 ノルウェー戦は結局ノーゴール。佐々木監督は、後半に大儀見優季らロンドン五輪の主軸を投入してゴールを狙ったが、試合の流れを取り戻し、立て直すことができなかった。

「しっかりと自分たちのプレイができていれば、怖い相手ではないはず。まだまだ熟成していないということ。1点も取れないという屈辱を経験にしていかないといけない」

 試合終了後、恐れずチャレンジしてほしいと公言していた指揮官は、終始おだやかな口調であったが、最後に「屈辱」というストレートな言葉を使った。

 そこに今の日本の立ち位置、そして選手たちが表現しなければならなかったプレイなど、すべてが詰まっていた。何より、佐々木監督自身が感じた一番強い感情だったのではないだろうか。

 次は、昨年のアルガルベカップ決勝で敗れているドイツとの一戦。ドイツは、2011年のW杯準々決勝で日本に敗れ、ロンドン五輪出場がかなわなかった(W杯が五輪予選を兼ねており、ベスト4進出が五輪出場の条件)。そのため、新チーム作りにいち早く着手しており、成熟度は今のなでしこジャパンよりも上だろう。このドイツと対等に張り合える位置まで日本は成長しなければならない。

 現状のベストメンバーで臨むことになるドイツとの大一番は、新生なでしこジャパンの潜在能力を推し量るまたとない機会になる。
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