【なでしこ】次世代のストライカー・京川舞が歩む「世界のトップ」への道 (3ページ目)

  • 松原渓●取材・文 text by Matsubara Kei
  • photo by AFLO SPORT

 ケガをして得た教訓もある。そのひとつは、食生活に対する姿勢だ。

「(リハビリ中)夏に体重が5キロぐらい落ちてしまって。最近は、筋力をつけるためにどういうものを食べたらいいかをトレーナーに聞いたりしています。朝ごはんも、それまでは納豆とご飯とお味噌汁だけ、とか簡単な食事が多かったんですが、そこにサラダやオレンジジュースを加えたりしています。お昼も、今まではおにぎりだけということもありましたけど、みかんを食べたり、牛乳を飲んだり。量は結構食べるんですよ。食は太いんです!(笑) それに、(田中)陽子とは家が近いので一緒に作って食べることもあります。時間が合わない時は外食もしますよ。あと、川澄さんの家に誘ってもらって、ご飯を食べさせてもらうこともあります」

 また、ケガをしてからはオフの過ごし方も変わった。

「ケガをしてからは休みの日もトレーニングをすることが多いですね。休日でも午前か午後に練習場でトレーニングをして、その後にチームメイトとご飯を食べに行ったりしてのんびり過ごしてます」

 夏以降も順調にリハビリを続け、9月からはボールを使ったトレーニングを再開。11月下旬にはチームの全体練習にも合流した。サッカーができない期間は長かったが、何をすべきか、何ができるのかを考えて自分と向き合い、サッカーができる喜びを噛みしめた。また、最初は遠慮していたベテラン選手達に対しても、自ら積極的にコミュニケーションをとれるようになった。

「入団した頃に比べると、だいぶ自分からコミュニケーションを取れるようになりました。ケガの期間中も先輩たちからいろいろと声をかけていただいたりしました。今は、本当にやりやすい環境でサッカーをやらせてもらっています」

 そして、京川は12月16日の皇后杯準々決勝(対AS狭山)で、後半31分からピッチに立った。7カ月ぶりの実戦だったが、「怖さもなかったし、思っていたよりも動けた」と手ごたえをつかんだ。

■より高いレベルを求めて。今季は挑戦の1年

 高校時代や年代別代表では個人技によるゴールも多かったが、なでしこジャパンの主力が多いINACでは、質の高いパスやアシストで自らが生かされる場面も増えた。日々のトレーニングでは、味方のパスや動きに合わせたり、パスを引き出す動きも学んでいる。

「今までとはパスの質が全然違います。たとえば、高校時代はヘディングで決めることは少なかったんですが、INACではニアに飛び込むと頭に合わせたボールも来ます。ヘディングは得意ではないんですが、そこに(正確な)パスが来るので、合わせることで決められるようになりました。周りに自分を生かしてくれる選手がたくさんいるので、その期待に応えて活躍できればと思います。でも、それだけではなくて、自分で持って行ってシュートを決めることもできるエースを目指したいです」

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