【なでしこ】岩清水梓が語るロンドン五輪の舞台裏。「あの悔しさは忘れられない」 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko photo by Hayakusa Noriko

「ホント、フランスは相変わらず怖かったですよ。跳ね返せなかったですから。永里(大儀見優季)がひとりで跳ね返す(フランスDFを突破して同点ゴールを決めた)っていうミラクルはありましたけど(笑)。でもウチらもコンディションが上がってきていたし、前回よりはやれるだろうとは思ってました。

 とはいえ、なんで(先制されてから)ひっくり返せたのかはわからない(苦笑)。それが私たちのこれからの課題でもある。前半は自分たちが相手の守備ブロックを崩さないといけない(相手を押し込む)展開で、そういうのは、あまり得意ではないじゃないですか。しかも、後半はまったく逆の(押し込まれる)展開になって......。前半と後半、同じ試合だと思えないですよね。攻守含めていろんな課題が詰まった一戦だったと思います」

 敗戦から学ぶことは多い。W杯優勝後の一年間で、なでしこジャパンが成長させた力のひとつは、こうした劣勢をはね返して試合をモノにする力だろう。

 2011年が、なんとなく結果を残してきたシーズンであっただけに、もう一度世界のトップに立てる力が自分たちにあるのか、選手たちも半信半疑のところがあったという。

「それでも、ドイツで世界一になったんだから、力がないわけじゃない!って思える部分もあったんです。たしかになんとなく結果は残ってたし(苦笑)。ただ、ハッキリと自分たちの力を実感することは難しかった。特に私はケガで実戦から遠ざかっていた分、自覚できたのはホント、オリンピックに入ってから。初戦のカナダ戦で思ったよりも自分自身が『フィットしている』って思えたので自信になった。だから、個人的にはこの1年間でレベルアップしたとはあまり言えないかな(苦笑)」

続く>>

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