【日本代表】山田大記(ジュビロ磐田)「W杯出場のために今の日々がある」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

「プロ2年目は、予定ではもっとゴール数が多かったはずなんですよ。だから満足はしていません。かなりチャンスを外していると思うし、そこはまだ未熟だなと反省しています」

 山田は表情に悔しさを滲ませる。

「ポジションどうこうよりも、僕はゴールの近くでプレイすることでチームに必要とされる存在になりたい。自分はどちらかと言えば、強烈なシュートが打てるタイプではありません。ゴール前で、ディフェンダーやGKとの駆け引きでシュートを入れるタイプ。だから単なるシュート練習より、守備者がいた方がシュートが入るんですよ。振りを早く、インパクトを強く、タイミングを外して逆を突くという感じ。

 岡さん(岡崎)のように嗅覚で点を取れるわけではないので、ミドルの確率は高めたいですね。今はペナルティエリア外からのシュートはそんなに入らない。たまに無回転になって入ったりしますけど」

 彼は淡々と現状を分析し、自分の進むべき道を選ぼうとしている。

「今は磐田でも、Jリーグでも"やることは全部やった、頭打ち"というような思いはないんです。例えば駒さんと比べて、自分のクロスの精度はまだまだ低いですし......。一方で、日本代表合宿に数日間参加しただけで、クラブに戻ると余裕ができていると感じました。だから、今いる環境に慣れたくはない、というのは常にありますね。環境を変える、という言い方で逃げるのは嫌だけど、"海外に行くことで変わるという部分もある"とは正直、思っています」

 去年6月には、ドイツのボーフムから正式に獲得の打診があった。しかし、山田の契約は14年1月まで。クラブ間で交渉が行なわれたが、結局は移籍金額に大きな隔たりがあったため、契約はまとまっていない。ただ、今後もこうして食指を動かす欧州クラブは少なくないはずだ。

「ヤマダという選手は、プレイビデオを見た限り、基本能力は高い。左利きに見えるほど左足のキックを得意とし、技術レベルが高く、シュートにも自信を持つ。力を出し切れば欧州リーグの中堅クラブで活躍できるだろう」

 そう分析したのは、ジョゼップ・グアルディオラと親交の厚いスペイン人ジャーナリストで、選手を見る目に定評のあるヘスス・スアレスだ。

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