【日本代表】中村憲剛
「南アW杯のときとは、個のレベルが明らかに違う」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

日本代表の現状について語ってくれた中村憲剛。日本代表の現状について語ってくれた中村憲剛。ブラジルW杯まで549日
『ザックジャパンの完成度』
連載◆第10回:中村憲剛(前編)

 W杯最終予選5試合を終えて4勝1分け、次戦のヨルダン戦に勝てば5大会連続でのW杯出場が決まる日本代表。前回の南アフリカW杯最終予選では、かなり苦戦を強いられただけに、今回の磐石な戦いぶりは驚きでもあり、頼もしくもある。この強さは、いったいどうやって得られたのか。オシム監督時代から6年あまりの代表歴を持つ、中村憲剛がひも解いていく――。

 ブラジルW杯最終予選は2012年6月、ホームのオマーン戦、ヨルダン戦、アウェーのオーストラリア戦という、3連戦で始まった。中村はこの3試合が非常に強く印象に残っているという。

「僕はほとんどベンチから見ていましたけど、正直『日本は強いな』と思いましたね。前回(南アフリカW杯予選)のときも前からプレスに行って、パスをつなぐスタイルだったけど、なかなかうまくいかない試合もあって、今回も最終予選は結構苦戦するイメージがあったんです。それが、横綱相撲というか、最初からすごくいい勝ち方をした。アウェーのオーストラリア戦で勝ち点3を取れていれば、パーフェクトでしたけど、最終予選の入り方としてはこれ以上ないものだったと思います」

 確かに、過去の最終予選は出足から相当苦戦している。前回も初戦のバーレーン戦(アウェー)こそ3-2で辛くも勝利したものの、2戦目のウズベキスタン戦(1-1)はホームで引き分けた。前々回のドイツW杯最終予選も、初戦の北朝鮮戦(ホーム)はロスタイムに大黒将志がゴールを決めての冷や汗ものの勝利で、2戦目はアウェーのイラン戦を1-2で落とした。

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