【日本代表】「史上最強」と呼ばれるザックジャパン。実は心配の種ばかり (2ページ目)

  • photo by Masuda Yuichi

浅田 だけど、前回以上の成績という意味で言っても、あのときのパラグアイが相手だったら、今の日本代表ならば十分に勝てるんじゃないかと思いますけど。

杉山 それは、わかる。岡田(武史)監督が最後にバタバタして、やっと到達した域には最初からあると思うし、選手のポテンシャルも、サッカーの質も高くなっているから。だけど、「サッカー大国」と言われる国(イタリア)から来ている監督である以上、その程度のことは当たり前で、「(日本の)実力の割に凄いことをやるな」という監督じゃないと、さらに上の成績は出せない。

――要するに、見ているこちら側がW杯でいい成績、それも前回以上を期待しているから、心配になってしまうわけですね。

渡辺
 W杯のベスト8と言ったら、そうそうたる国ばかりだからね。前回はラッキーな面が多かった。だいたい、初戦のカメルーン戦で本田(圭佑)がゴールを決めていなければ、チームは崩壊していた。本来、ベスト16に行くのも大変なこと。

杉山 日本がそこから先へ行くためには、奥の手が必要。僕は、ザッケローニ監督にとっては例の『3-4-3』がそれなのかと思っていたんだけど。どこへ行っちゃったんだろうね、あれは。

浅田
 急に言わなくなりましたね。一時は、3-4-3だけの合宿をやっていたこともあったのに。

杉山 日本にはないカルチャーだから、もう少し教え方を考えるべきだったと思うよ。

渡辺 基本布陣である4-2-3-1のメンバーから、そのまま3-4-3に移行できないのも問題だった。

杉山 そのふたつのフォーメーションは、いわゆる"親戚関係にない"から無理なのは仕方がないんだけどね。それでも、やりようによっては、弱者が強者に勝つために使える戦術。せめて、オプションとして取っておいてほしかった。

浅田
 それこそ、フランス戦やブラジル戦で試してもよかった。

杉山 そう。でも今や、3-4-3なんてまるでなかったことのようになっている。結局、選手にも浸透していないし、あの時間はなんだったのか......。

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