【なでしこ】INAC、リーグ2連覇達成。監督が絶賛した大野忍のキャプテンシー (3ページ目)

  • 早草紀子●文・撮影 text & photo by Hayakusa Noriko

「(昨年キャプテンを務めた)川澄と比べると、あまり表立ってキャプテンシーをメディアに伝えることはしないタイプですが、ロッカールームでは熱い想いを選手たちに語ったりすることもある。僕の中では、『大野なくしてこの優勝はなかった』と思っています」

 日ごろ厳しい星川監督も認める存在だったのである。

 その大野本人は、シーズン前からあえて自らにプレッシャーをかけていた。「無敗で全タイトルを取って、得点王になる!」と語っていたが、優勝が決まった瞬間、大野はいたって冷静だった。ほんの少しハイタッチをした程度。それはまだ、2試合を残しているからだ。相手は古巣ベレーザと、浦和レッズレディース。

「この2チームに勝って初めて、優勝を心から喜ぶことができると思います」

 海外移籍を希望している大野。だからこそ厳しい条件での優勝を目標に掲げた。自身が望む『完全な』優勝は、まだ先にあるようだ。

 リーグが終われば、すぐさま国際女子サッカークラブ選手権が控えている。ヨーロッパやオーストラリアの強豪チームと、どれだけの戦いを展開できるか。この1年、成長を重ねたINACの戦いぶりに注目したい。



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