2012.10.26

【日本代表】木村和司が申す「ザックの選手交代はどうなんじゃろか」

  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 とにかく、ブラジルはようサッカーを知っとる。あらゆる状況において、ここでは何が重要なのか、体に染みついている感じで、いろいろな面で日本との違いを見せつけられた。

 まずは、シュート力だろうな。技術的なことはもちろん、ゴール前でのひと工夫が違った。1点目のパウリーニョのゴールなんか、絶妙なタイミングで、DFもGKの川島もシュートを受ける準備ができていなかった。加えて、トゥキックに近い蹴り方でドロップするようなボールを真っ直ぐ蹴ってきた。あれで、技術の高さ、シュートの種類の豊富さも感じたよな。

 そのうえ、ブラジルの選手はゴール前で落ち着いている。カカにしろ、ネイマールにしろ、みんなそう。だから、シュートをきちんとゴールに流し込める。それに比べて日本の選手には余裕がない。バタバタしていて、慌ててシュートを打っているイメージ。結果、シュートの精度が低くなるんや。

 ゲームを読む力もブラジルは圧巻だったな。耐えるところ、相手にボールを持たせといてもいいところでは無理して動かずに、「ここ」というところで一気にボールを奪いにいって、素早い仕掛けを見せていた。その際は、「ゴール前まで行くぞ」「シュートまで行くぞ」という意識がみんなにあって、非常にスピーディーで厚みのある攻撃を展開していた。

 特にボランチのふたりは強烈だったな。ボールの奪いどころがわかっていて、奪ったらそのまま攻め上がり、フィニッシュのところまで行くからな。ほんと、「ここ」というところでの力の使い方をよく知っているよ。

 確かに、日本もフランス戦のときよりもボールを持つ時間が長くなって、パスをつなげるようになっていたと思う。でもそれは、ただ単にボールを動かしているだけで、ボールの"キープゲーム"をしているに過ぎなかった。その辺も、常にゴールを意識しながらボールを動かしていたブラジルとは明らかに違っていたし、日本にはシュートまで持っていくだけの力が足りなかったな。

 まあでも、こういう試合を経験することで、自分たちの力や、世界での立ち位置というのがわかる。それに、ザッケローニ監督も言っていたけど、できたこと、できなかったことがわかって、今後補っていかなければいけないこと、伸ばさなければいけないことがはっきりした。そういう意味では、これからもこういう形で世界のトップクラスと戦う機会を増やしていくことが重要になるだろうな。