【名波浩の視点】欧州遠征でザックジャパンに求めるもの

  • Sports Nippon/Getty Images

フランス戦に向けてトレーニングを消化するザックジャパン。写真は手前左から清武弘嗣、長友佑都、乾貴士、後ろは栗原勇蔵。フランス戦に向けてトレーニングを消化するザックジャパン。写真は手前左から清武弘嗣、長友佑都、乾貴士、後ろは栗原勇蔵。 日本代表が欧州遠征を実施。10月12日にフランスでフランス代表と、10月16日にはポーランドでブラジル代表と対戦する。

 日本にとっては、世界的な強豪と、それもアウェーや中立国でやれる機会は極めて少ないだけに、まずはそういう舞台を経験できることが何より大きい。そしてそこで、これまでアジア予選を戦いながら培ってきたものが、強豪国相手にどれくらい実践できるのか、また、自分たちが見落としてきたものはないのか、そうしたことを見極める絶好の機会となる。

 特にフランスは、W杯欧州予選の最中で、直後にアウェーのスペイン戦(10月16日)が控えている。チームはおそらくピリピリとしたムードで、選手たちのモチベーションも高いだろうから、日本の力を推しはかるうえでは、最高のシチュエーションになると思う。前田遼一が戦列を離れ、本田圭佑のケガの具合や試合に出場していない長谷部誠のゲーム感など、いくつか懸念材料があるものの、日本がそこでどんな戦いを見せてくれるのか、非常に楽しみだ。

 フランスとの対戦で思い出すのは、2001年3月に今回と同じサンドニ(スタッド・ド・フランス)で行なわれた試合。自分も代表メンバーとして出場し、フランス相手に自分たちのやってきたことがどれくらい通用するのか、という思いで臨んだ。個々のフィジカルの強さでは勝てないことはわかっていたけれども、オートマチックなポジションチェンジとか、(トルシエ監督が提唱した)フラット3のラインの上げ下げとか、組織でどういうふうに守って、少ないチャンスをどうやってシュートまで持っていくか、ということを研ぎ澄ましてやろうと思っていた。

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