2012.10.06

【日本代表】欧州遠征はチャンス。フランス、ブラジルは怖くない

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 右肩上がりでないのは、フランスに限った話ではない。世界のトップクラスは10年前に比べ、明らかに停滞している。スペインのひとり勝ちという今日の状況は、その他の国の停滞と密接な関係がある。

 08年ユーロ、10年W杯、12年ユーロ。この3大会で、ご存じの通りスペインは3連覇を飾っているが、結果に運が3割を占めるサッカーにおいてかなり稀な話だ。スペインが強すぎるという見方は確かにできる。世のメディアはその強さをしきりに伝えるが、一方で、その他の国の不甲斐なさを嘆くことはない。

 実際には、欧州の一流国の中で右肩上がりを維持している国は少ない。ドイツぐらいのものだろう。ユーロ2012で決勝に進出したイタリアも、健闘はしたもののチーム力そのものは高くなかった、かつてのチームの方が強そうに見えた。準決勝でスペインにPK負けしたポルトガルは横ばい。オランダは右肩下がり。イングランドなどは目を覆いたくなるほどの惨状だ。

 準々決勝でスペインに0-2で敗れたフランスしかり。その負け方は、「スペイン強し」というよりも、「フランス弱し」と言いたくなる内容だった。

 弱みはハッキリしている。ゲームをコントロールする選手がいないのだ。身体能力の高い選手はいても、ゲームの流れを読む選手がいない。その結果、試合運びに抑揚が利かず単調さを露わにする。アフリカのチームを見ているような気にさえなる。

 かつてはチャンスゼロだった。欧州の一流国相手に、日本が好試合を演じそうなムードはなかった。だがいまは、「もしかしたら」という気になれる。内的要因に加え、外的要因も絡むからだ。