【リトルなでしこ】攻撃サッカーで観客を魅了。U-17女子が全勝無失点で決勝T進出

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

9ゴールを決めてメキシコに勝利したリトルなでしこ。準々決勝でガーナと対戦する9ゴールを決めてメキシコに勝利したリトルなでしこ。準々決勝でガーナと対戦する「JAPANは本当に強すぎる」――。アゼルバイジャンで行なわれているU-17女子W杯で、日本は海外メディアから絶賛を受けた。全4グループ中最多得点、そして唯一の無失点&全勝という成績で決勝トーナメント進出を決めたのだ。

 グループリーグ最後の戦いは、2位につけていたメキシコが相手。試合は拮抗するかと思いきや、日本が前半で5得点と攻撃力が大爆発し、メキシコの戦闘意欲を根こそぎ奪ってしまう勢いで試合を決した。

 特に前半に関しては、選手たちが練習で繰り返しトライしていた形が実を結び、日本のあらゆる攻撃パターンが見事に表現されていた。

 ゴールラッシュの狼煙(のろし)を上げたのは8分のこと。成宮唯から長身FWの白木星(しらきあかり)にスルーパスが入ると相手DF陣は、左サイドを駆け上がってきた清水梨紗をまったくのフリーにした。「その隙に思い切って(ゴールまで)行こうと思いました」という清水の先制点で日本の攻撃にスイッチが入った。

 10分後には成宮が自身の突破から得たPKを決める。「練習では外すこともあったので実はすっごく緊張した」という成宮。ボールを手にしばし祈りを込めた後、ゴール左隅に決めると力強く右手を空高く突き上げた。

 アゼルバイジャンに入ってから、本来のポジションであるボランチでのプレイと、左サイドMFとしてのプレイのイメージのズレを吉田弘監督とも何度も話し合ってきた成宮。前日にはテクニカルスタッフとも映像を見ながら「中に入ってプレイしてみよう」と臨んだこのメキシコ戦で、その意識が成果となってハッキリと出た。

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