【リトルなでしこ】NZにも快勝。チーム力アップで決勝トーナメントへ視界は良好 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko photo by Hayakusa Noriko

 また、試合終了後には珍しいシーンが見られた。互いの健闘をたたえ合っていた両チーム。ニュージーランドの選手たちから「一緒に写真を撮ろう!」と誘われ、両チーム揃って記念写真。この敗戦でニュージーランドはグループリーグ敗退が決まったが、自らのスタイルをかなぐり捨てて挑んだ末の完敗に悔いはない様子で、日本に対して最大の敬意を表していた。

試合後に両チームの選手がそろっての記念撮影。世界大会では珍しいシーン試合後に両チームの選手がそろっての記念撮影。世界大会では珍しいシーン さらに、現地で日本のファンは確実に増えており、スタジアムのボランティアスタッフや観客から、リトルなでしこへの応援が目立つ。何故か女性からの黄色い声援が飛ぶことも。これもU-17女子代表のカラーのひとつだろう。

 この第2戦でニュージーランドと引き分けていたら、次戦も決勝トーナメント進出へ向けて結果を出さなければならないため、主力を起用しての連戦は避けられなかった。しかし、ここで順調に勝利を重ねたことで、吉田監督は主力以外の選手を試すことができる。主力を休ませることができるのは、もちろん重要だが、控え組を出場させる最大のメリットは、スタメン組とサブ組の“差”を縮められることだ。

 どんなカテゴリーでも、サブ組の力が主力と拮抗しているチームは必ず結果を手にしている。その点、U-17女子代表は半数近い選手を変えても、現時点ではトータルで力がガクンと落ちることがない。今、サブ組の力をさらに引き上げる絶好期なのだ。実戦で、しかも消化試合ではなく、グループリーグ1位通過のかかった重圧の中でのプレイを大多数の選手が経験できることは貴重だ。

 日本はここまでグループCで唯一の2連勝で首位を走る。1位通過となれば、グループDの2位と準々決勝で対戦できるだけでなく、初戦から滞在しているバクーに引き続き留まることができるという利点もある。だが、最終戦の相手であるメキシコも決勝トーナメント進出がかかっているだけに、激戦となるのは必至だ。

 チームの成長と1位通過、その一挙両得となるか。グループリーグ最終戦までの中3日のトレーニングと調整が今後を左右する。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る