【なでしこジャパン】
宮間あやはキャプテンシーをどのように身につけてきたのか?

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko photo by Hayakusa Noriko

 メンバーは変わっても、チームとしての姿は変わらない。宮間にとって湯郷は第2の故郷と言っても過言ではない。厳しい態度の奥底に、チームメイトへの、チームへの思いあるからこそ、誤解を恐れることなく態度で示すことができるのだ。

「どんなに厳しいことを言っても、このメンバーだと伝わるっていうか、私のことをわかってくれているから言えるんです。同じことを代表でやったら、どん引きですよ(笑)!」(宮間)。

 トレーニングが終われば宮間はチームのいじられキャラだ。そのやりとりだけで、信頼の深さを感じ取ることができる。

 なでしこジャパンが今年4月にキリンチャレンジカップを戦った際、見慣れないシーンがあった。第2戦のブラジル戦、絶妙なCKから永里優季(現・大儀見優季)のゴールを導いた宮間が、スタンドへ向かって屈託のない笑顔で何度もガッツポーズをしたのだ。スタンドへ向けてアピールする宮間を私は初めて見た。

「実は、あそこに湯郷のみんながいたんです(笑)。なのに、『旗を振りまわしてたから見てない』って後で言われました......。せっかくやったのに!」宮間にとって湯郷のチームメイトは、家族のようなものなのだ。

 今年、その湯郷は今週末再開するなでしこリーグで3位につけている。チーム初となる上位を狙える位置だ(昨シーズンは4位)。宮間個人のプレイだけでなく、その宮間たちが作ろうとしているチームのプレイにも注目してみてほしい。

 また、ホームである美作ラグビー・サッカー場の雰囲気も街全体でチームを見守ってきた独特のムードがある。ピッチとスタンド、そのすべてを体感しに一度足を運んでもらいたい。なでしこジャパンとはまた一味違った宮間あやと、その仲間たちのプレイを通じて、きっと女子サッカーの魅力と出会えるはずだ。

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