【ヤングなでしこ】銅メダルは通過点。選手たちの視線はすでに「なでしこジャパン」へ (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko photo by Hayakusa Noriko

 その後攻め込まれ、FKから1点を返されるも、最後はナイジェリアの猛攻を抑えきって2-1で勝利。U-20世代初となるW杯銅メダルを獲得した。

 チームを助けるゴールを量産し続けた田中陽や、ボールの配球元である猶本光、大会優秀選手となった柴田らが注目される中、この日決勝点となるゴールを決めた西川の存在も忘れてはならない。

 初めてピッチに登場した第2戦のニュージーランド戦。前半30分からの途中出場ながら、鋭い抜け出しと貪欲にフィニッシュに持ち込むプレイで、膠着ムードを一変させた。次戦からはスタメンを獲得。以降、西川は決勝までのすべての試合で出場機会を与えられた。

 高い位置から、体力消耗をかえりみずに懸命にプレスをかける姿はそれだけで仲間を鼓舞した。すでにスイス戦で初得点を挙げていたが、3位決定戦のゴールは勝利に結びつく決定的なゴールだった。自身、初となる世界大会で実力をいかんなく発揮できた選手のひとりだ。

「ポストプレイや身体を使って相手を防ぐことはできたけど、まだボールをおさめきれないし、決められるところで決めないと......」と、課題も明確につかんだ。

 また、ナイジェリアの猛攻をせき止めていたのが16歳のセンターバック、土光真代だ。準決勝のドイツ戦では、裏を取られての連続失点に悔し涙が止まらなかった土光だったが、この日は違った。危険人物とマークしていたオパラノジーに対しても寄せを早くし、身体を入れて前を向かせない。判断も徐々に早くなり、余裕を持ってボールを奪うことが大半だった。

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