【ヤングなでしこ】完敗を糧に。選手たちが誓った強くなるためになすべきこと (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko photo by Hayakusa Noriko

 今回の敗戦は、苦い涙を味わうことになったが、"世界"というものを実感した初めての試合でもある。

「この悔しさを忘れることはないと思う」――田中陽子が、田中美南が、浜田が、木下が、全員が口にした言葉だ。それさえ忘れなければ、必ず飛躍できる。

「“世界”というのはこういうものだと思った。もっとうまくなりたいって思えた。今日の(ドイツの)スピードですごいって言われてもいるけど、U-20じゃないですか。だから、なでしこジャパンに入ったらと考えると、(そのレベルで自分が)やっていけるのか疑問がある。だからこそ、もっと判断を早くして、世界に通用する選手になりたいと思います」こう語ったのは猶本だ。

「次、ドイツと戦うときは、もっとやれると思いますよ!」

 決して負け惜しみから出たものではなかった。完敗を認めたうえで、自らの成長や強いドイツの選手たちと今後戦っていくことを楽しみだと笑った。

 目標としていた優勝への道は絶たれたが、ヤングなでしこの戦いがここで終わったわけではない。日本は9月8日、ナイジェリアとの3位決定戦に臨む。ドイツとはまたタイプの異なる相手ではあるが、この敗戦を教訓に、有終の美を飾ってほしい。それがヤングなでしこの、未来への第一歩となるはずだ。

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