【ヤングなでしこ】
田中陽子が左右両足FKを身につけた「きっかけ」

  • 早草紀子●取材・文 text by Hayakusa Noriko
  • photo by Hayakusa Noriko

 グループリーグで比較的プレッシャーのない相手との戦いを続けてきた日本にとって、韓国はスイッチを入れ替えるのに、申し分のない相手と言える。

 田中陽、猶本、仲田歩夢(あゆ)らは2年前、U-17女子ワールドカップ決勝で韓国と対戦し、PK戦の末に敗れるという苦い経験をしている。昨年のAFC U-19女子選手権では3-1で韓国を下している日本。この時もリベンジするという固い決意があったが、やはりワールドカップの借りはワールドカップでしか返すことはできない。

 田中陽は当時の悔しさをこう振り返る。
「あの時はまだまだヘタクソで……。シュートがショボくて、コロコロシュートって言われてました。でも世界と戦ってみて何が足りないかがわかったから、必死に練習しました」
 だからこそ、左右両足からゴールを生みだすほどのFKの技術が身についたのだ。

「あの頃より、今の私たちはもっとサッカーがわかっている」田中陽はこう言った。奇しくも、同じ言葉で韓国のチョン・ソンチョン監督も愛弟子たちの成長を語っている。互いに成長を重ねてきた両チーム。再び出会う世界の舞台で、どのような対決を見せてくれるのか。準々決勝は30日、国立競技場で行なわれる。

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