【なでしこ】澤穂希の五輪を支えたスタバと東野圭吾とあの曲 (2ページ目)

  • 松原渓●取材・構成 text by Matsubara Kei
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

――サッカーは準々決勝までロンドン以外の都市での開催でしたが、オリンピックのほかの競技はチェックしていましたか?
「大会前に、北島康介選手からメールをいただいて、私たちの試合もぜひテレビで観戦したいと言ってくれていたんです。北島選手とは去年、『アクエリアス』のイベントを通じて仲良くなって、個人競技の難しさや、勝負に対する精神面などを聞いてとても勉強になりました。大会期間中はお互いにメールをしなかったですが、私も北島選手の競技をテレビ観戦して応援しました!」

――練習後や試合のない日は、宿舎でどんな過ごし方を?
「海外での遠征のときにはいつも本を持参していますが、東野圭吾さんの作品が多いです。今回も『麒麟の翼』や『白夜行』ほか合計5冊持っていきました。実は、大会前に東野圭吾さんから『麒麟の翼』をプレゼントしていただき、表紙の裏にメッセージが書かれていました。『パスが通っても通らなくても、試合に勝っても勝てなくても、オリンピックで多くのことを得てきてください』という内容でした。この言葉に肩の荷が下りた気がして、とてもうれしい気持ちになりました。
 私が読み終わった後には、「読みたい」とリクエストがあるほかの選手に貸すこともあります。宮間選手も今ではすっかり東野圭吾さんのファンになってしまいました」

――試合前には何か音楽は聴きましたか?
「音楽はリラックスにもなるし、試合に向かうモチベーションを高めてくれます。今回の五輪では、試合の前はナオトインティライミさんの『Message』『Brave』や、EXILEさんの『Rising Sun』『I Wish For You』をよく聴いていました。
 ナオトさんには大会前に神戸でのライブに招待していただいたのですが、その時に私への応援歌として、『ありったけのLove Song』を替え歌で歌ってくれたんです! あれは本当にうれしかったです」

――オリンピック期間中、イギリス各地を移動しましたが、宿舎はどうでしたか?
「今回も大野選手と同部屋でしたが、カーディフでは隣の近賀ゆかり選手と矢野喬子選手の部屋とは、部屋と部屋が中のドアがつながっていたので、実質4人部屋になってしまいました(笑)。コベントリーでは宿舎のベッドが小さくて、寝返りを打つのもたいへんなサイズで、寝返りを打つ時は、寝返りを打つ方向と逆方向に1回体を引いてからでないと、落ちそうなほどでした(笑)」

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