【日本代表】次元の違うレベルに突入した
「最強」ザックジャパンの底知れぬ野心

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

ベネズエラ戦でも圧倒的な存在感を示して、決定機を演出した本田圭佑。ベネズエラ戦でも圧倒的な存在感を示して、決定機を演出した本田圭佑。 試合後、本田圭佑が「決めるところを決めることが大事」だと言えば、香川真司もまた、「チャンスの数からもそうだ(多かった)し、勝たなきゃいけない試合だった」と振り返る。

 8月15日に札幌で行なわれた日本対ベネズエラの親善試合は、1-1の引き分けに終わった。冒頭のふたりの言葉が示すように、内容を考えれば、勝利すべき試合だったのは間違いない。

 とはいえ、前半から日本のボールポゼッションは安定していた。何より、このチームはボールが前へ進むのがいい。何のためにボールポゼッションしているのかわからないような、「パスをつなぐためのパス」ばかりが目立つのとは違い、有効に縦パスを使っては両サイドを攻略。試合の前々日に集合し、わずかな練習時間だけで臨んだにもかかわらず、流れるようなパスワークでベネズエラを圧倒した。

 本田は、「全体に精度が低かったし、(攻撃に)厚みもなかった」と手厳しかったが、15分の得点シーンでは、本田からのパスで駒野友一が右サイドを抜け出した瞬間、ゴール前には3人の選手がいた。これだけでも十分に厚みがあると言える状況だったが、最終的に駒野のクロスに合わせたのは、さらにその後ろから飛び込んできたボランチの遠藤保仁。攻撃に人数をかけ、ベネズエラ・ディフェンスを完全に崩し切っての先制点だった。

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