【五輪代表】44年ぶり快挙の「本当の価値」はどこにあるのか (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 渡辺航滋●撮影 photo by Watanabe Koji

 そしてまた、今度はロンドン五輪を経験したからこそ、次への意欲も湧く。東が続ける。
「スペインなど、強豪に勝てたことは自信になる。また世界で戦えたらいいなと思う」

 これこそが、ロンドン五輪に出場し、多くの真剣勝負を経験し、たっぷりと悔しい思いをしたことの最大の意義だと言ってもいい。吉田が語る。

「U-23とA代表では、まだプレイや判断のスピードに差がある。でも、(五輪代表の)みんなもそれについていけるようになって、(A代表の)スタメンを脅かすような選手になれば、総合的に日本のサッカーのレベルが上がると思う。そういう意味でも、このベスト4は価値がある」

 準決勝ではメキシコに、3位決定戦では韓国に、いずれも完敗を喫し、大団円とはいかなかった。だが、清武は言う。
「2年間でいいチームができあがったと思う。正直、誰もここまで来るとは思っていなかっただろうし。最後に負けはしたが、胸を張って帰りたい」

 勝ったからこそ得た自信、負けたからこそ得た課題を胸に、これからの成長につなげること。それがかなったとき、44年ぶりのベスト4進出は本当の価値を持つことになる。

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