【なでしこジャパン】アメリカに屈するも、「胸を張って帰りたい」(宮間) (2ページ目)

  • 栗原正夫●文 photo by Kurihara Masao
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

 26分には宮間のFKがペナルティエリア内で壁に入ったアメリカ選手の手に当たったが、PKの判定はなし。その後も32分には川澄のクロスから宮間、37分には大儀見のポストから大野と決定機を迎えたが、いずれもわずかに精度を欠いた。

「(決定機が)ひとつでも決まっていればまた違った展開になったかもしれないと思います」(宮間)

 振り返れば、この前半にあった好機を逃したことが、結果に響いたといえる。

 2失点目は54分。カウンター攻撃を受けると、モーガン、ワンバックの存在が気になりラインが下がったところをまたしてもロイドに決められた。

「夢穂ちゃん(阪口)がプレッシャーをかけてくれたなかで、左にワンバックがいて気になった部分もあった。ロイドのミドルは、スカウティングでもわかっていたので、自分が前に出るべきだった」(熊谷)

 相手を褒めるしかない豪快な一発だったが、対処の余地はあっただけに、これもまた悔やまれた。

 63分には、宮間の縦パスを大野がエリア内で受けると、澤が粘って最後は大儀見が決めて、日本も1点を返す。残り時間を考えれば、同点のチャンスも十分かに思われた。

 終盤は阪口に代えて田中、大野に代えて丸山、左SBの鮫島に代えてFW岩渕を入れ、MF川澄を左SBに回すなど、日本も勝負に出た。1点ビハインドの状況下、動かざるを得ない状況だった。しかし、土壇場での選手交代はかえって流れを切ることになってしまった。大儀見は言う。

「選手交代があってからチーム内の意思統一ができてない部分があって、ギクシャクしてしまった。交代で入った選手も統率できるぐらいのチームでなければならなかったし、結果的に総合力で負けてしまったと思います」

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