【なでしこジャパン】アメリカに屈するも、「胸を張って帰りたい」(宮間)

  • 栗原正夫●文 photo by Kurihara Masao
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

何度となく相手ボールを奪い、チャンスにつなげていた澤何度となく相手ボールを奪い、チャンスにつなげていた澤 思わず腰をすっと浮かしてしまったことが何度あったか。ピンチもあった。しかし、それ以上にあったのがチャンスだった。

 ウェンブリー・スタジアムに8万203人の観衆を集めて行なわれたロンドン五輪女子サッカー決勝。なでしこジャパンは惜しくも1-2とアメリカに屈し、銀メダルに終わった。

 耐えに耐え、しのぎにしのいで頂点に立った昨年のW杯決勝とは異なる試合展開。日本は世界ランク1位のアメリカに対し、ボール支配率、チャンスの数で上回りながら、わずかにツキを欠き、あと一歩及ばなかった。

 開始8分の失点は、集中が切れた一瞬の隙を突かれた、悔やまれる失点だった。左サイドを上がったヒースのクロスをモーガンが中央で受けると、トラップが大きくなりピンチを回避したかに見えた。しかし、そこで日本のDFの足が止まったところをアメリカは逃さず、モーガンがラインギリギリのところから折り返すと、中央に走り込んだボランチのロイドが豪快なヘッドで押し込んだ。CB熊谷が悔しそうに振り返る。

「もっとボールに寄せなければいけなかった。中で1枚、ワンバックがいたのが見えたけど、マークが足りていたので......。(走り込んできた)ロイドには気付かなかった。もっと声をかけ合うことが必要だった」

 だが、なでしこジャパンは失点に動揺することなく、その後はペースを掴み、幾度となくアメリカゴールを脅かした。17分と18分には、いずれも川澄、大儀見のラインで決定機を演出。18分のシーンは、川澄の絶妙な左クロスに「イメージ通りだった」という大儀見がダイビングヘッドで合わせたものだが、GKソロの手をかすめたボールは惜しくもクロスバーに嫌われた。

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