【なでしこジャパン】因縁の相手アメリカとの決勝でカギを握るのは? (3ページ目)

  • 了戒美子●文 photo by Ryokai Yoshiko
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

 攻撃面でもチャンスはさほど多くないだろう。そういう中では、W杯決勝のようにセットプレイはカギになる。なでしこらしいパスワークの中核を担う宮間は今大会、いまだ本調子とは言えず、パスミスも多い。だがフランス戦の2得点のように、フリーキックのクオリティは色あせない。流れの中だけでなく、セットプレイでも活躍できる彼女の肩にかかるものは大きい。

 また、大会を通して気になるのは、高い位置でのポゼッションができていないことだが、一方でFW大儀見の好調ぶりは光っている。前線でボールは収まるのだから、彼女にシンプルに預けたところからの攻撃が見られてもいい。ここまでは大儀見にボールが収まっても、孤立しているためにチャンスにならないシーンも多かった。これをチャンスとして生かせれば、主導権も握れるのではないか。

 しかし、そんなことより大切なものがあるのかもしれない。準決勝に勝利した後、佐々木監督は語っている。

「ここまで来たら何がどうではなくて、どちらが勝ちたい気持ちが強いか」 

 なでしこたちがどれだけ強く勝利を望み、信じているか。それが証明される決勝でもある。

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