【なでしこジャパン】猛攻しのいでフランスに辛勝。「PKでは念を送った」(阪口) (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao
  • photo by Hayakusa Noriko/JMPA

「PKについてはホンマに申し訳なかった。今までにないくらい“念”を送りました。あのシーンはキンちゃん(近賀)とあや(宮間)が抜かれて、自分が行かなきゃと思って足を出したらPKになってしまった。PKを外してくれてホッとしたけど、まだ時間は残ってたから、余裕はそこまでなかった。でも、逆にこれで守り抜かなきゃと思った」(阪口)

 終盤89分、猛攻に出てきた相手の隙を突いてカウンターから抜け出した大儀見のシュートが決まっていれば、勝負は決していたはず。しかし、ポストに嫌われたことで、ロスタイム最後の4分まで日本としては気の抜けない展開となった。

 ロスタイムには187センチの長身DFルナールが最前線に張り付くなど、フランスは徹底したパワープレイに出て、日本を苦しめた。しかし、スコアが再び動くことはなかった。

「前半から終盤のようなサッカーをされていたら、ちょっと(勝てたか)わからなかった気がします」(阪口)

 準々決勝のブラジル戦同様、準決勝のフランス戦も、なでしこジャパンのきれいなパスサッカーは見られなかった。ただ、チーム一丸となって、泥臭く、一生懸命にプレイするのもまた、なでしこらしさであり、それこそがこのチームの魅力でもある。しのいで、しのいで、ワンチャンスをモノにする高い集中力で、なでしこジャパンはまた一歩金メダルに前進した。

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