【五輪代表】44年ぶりメダルへ。関塚ジャパンに「強い風」が吹いている! (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 調子に乗っているときは何をやってもうまくいく。そう言ってしまえばそれまでだが、次々と日本への追い風が吹く試合展開には、“持っている”チームの勢いを感じずにはいられない。負傷交代を余議なくされながらも、試合後は歓喜の輪に加わった永井が語る。
「(これまでは1点しか取れなかったが、)麻也が追加点を決めて、大津がダメ押しの3点目を決めた。結果としても、内容としてもよかった」

 エースストライカーの言葉通り、日本は内容のともなった理想的な勝利で、44年ぶりのベスト4進出を決めたのである。

 次は、いよいよ準決勝。日本にとっては、1968年メキシコ五輪以来となるメダル獲得がかかった大一番となる。

 幸いにして、メキシコとは今大会直前に親善試合を行なっている。メキシコの攻撃にはかなり手を焼いたが、得意のパスワークを体感できたことの意味は大きい。加えて、押されながらも2-1と勝利したことで、無用な怖れも抱かずに済むだろう。

 ただし、忘れてならないのは準決勝の結果にかかわらず、もう1試合残されているということだ。しかも、それが決勝であろうと、3位決定戦であろうと、準決勝よりも重要な試合になるということである。

 グループリーグ第2戦のモロッコ戦の動きを見れば、中2日で戦うことの厳しさは明らか。だとすれば、準決勝では再びメンバーを入れ替えるのも一手だろう。

 ここから先は、勢いに乗っているというだけでは恐らく乗り越えられない、高い壁が待っている。今大会、打つ手、打つ手が当たっている関塚隆監督が、いかなる「メダル獲得作戦」を見せるのか。ホットに戦う選手たちのプレイぶりとともに、指揮官のクールな判断が見ものである。

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