【五輪代表】いよいよ準々決勝。関塚ジャパンは『鬼門』を突破できるか!? (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 特に前半は、中盤での守備がほとんど機能せず、エジプトに次々とパスをつながれた。単純なワンツーで簡単に振り切られることも多く、守備で後手に回るシーンばかりが目立った。はたして、その前半に2失点。後半のスコアだけで言えば、日本の2-1だっただけに、結果的に前半の出来が勝敗を分けたとも言える。

 では今回、日本がエジプトを倒すためには、いかに戦うべきか。それは日本の武器が何かを考えれば、必然的に明らかになる。

 今大会の日本は、3試合で2得点しか挙げていないにもかかわらず(グループリーグを1位通過した4カ国の中では最少であり、2位通過を含めた8カ国の中でも韓国と並び、最少タイ)、2勝1分けの勝ち点7を獲得できたのは、3試合連続無失点という堅守があったからだ(無失点は日本とメキシコのみ)。

 ならば、目指すべき戦い方ははっきりしている。先に失点しないことだ。

 エジプトは堅守速攻で強引な攻撃を仕掛けてくるというより、最終ラインから丁寧にパスをつないで攻撃を組み立ててくる。得意とするのは、シンプルなパス・アンド・ゴーの繰り返しである。

 しかし日本は、意外とこれに弱い。先のホンジュラス戦でも、中盤で簡単にかわされてボールを運ばれるシーンは多かった。ホンジュラスがそこで何も起こせないチームだったから助かったものの、エジプトはそうした隙を見逃してはくれないだろう。

 スペイン戦では、あれほど粘り強く守備ができていたにもかかわらず、モロッコ戦以降は、その対応が遅れるシーンも目立っている。となれば、ある程度、守備を重視して試合に入る必要があるだろう。

 現在の日本の得点力を考えると、もし先制されれば、逆転は容易ではない。0-0のまま粘り強く戦い、焦(じ)れて相手が出てきた間隙(かんげき)を突いて1点を奪う。それが有効というより、今の日本にはそれしかない。DFの鈴木大輔も、「(カギは)取れるところで点を取ること。今まで以上に集中していい守備をして、いい攻撃につなげたい」と話す。

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