【五輪代表】スペインに完勝。「マイアミ――」とは次元が違う『グラスゴーの奇跡』 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 結果は、1-0で日本の勝利。だが、日本が追加点のチャンスをひとつでも決めていれば、早々に勝負は決していただろう。それほどスペインの攻撃には、迫力が欠けていた。

 会心のスペイン封じを、GK権田修一が振り返る。
「自分たちの意図した守備はできたかなと思う。ひとりだけで(プレスに)行くんじゃなくて、2人目、3人目と連動して、自分たちから仕掛ける守備ができた。アグレッシブに行けたのはよかった」

 はっきり言って、日本の完勝である。16年前にブラジルを破った「マイマミの奇跡」のようなハラハラもなく、これを番狂わせと呼んでいいのか疑わしいほどだった。

 前半にセットプレイから先制点が取れたこと。前半のうちに相手に退場者が出たこと。そうしたいくつかの運が作用したのも確かだが、徳永が「自分たちが(試合を)コントロールできていた。勝つべくして勝った試合」だとするのも、決して不遜な表現ではない。

 この先、得失点差の争いになる可能性もあることを考えると、あと2、3点取って、スペインの息の根を完全に止めていれば言うことなしだったが、しっかりと勝ち切ったのだから、まずはよしとすべきだろう。

 この日の主役、スペインを出し抜いて、日本は大きな大きな勝ち点3を手に入れた。

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