2012.07.16

【日本代表】清武弘嗣「自分にとって、一番の課題はメンタル」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 実際、吉田の得点をアシストした北朝鮮戦以降、清武はゴールに絡む結果を残せていない。途中出場という短い時間の中でのプレイだけに、常に結果を求めるのは酷な話だが、デビュー直後の活躍を考えれば、確かに物足りなさはあるのかもしれない。W杯最終予選のオーストラリア戦でも、決定的なシュートを外して「あそこで結果を出さないと......」と唇を噛み締めた。清武の危機感は、さらに膨らむ一方だ。

「途中から出場してもプレッシャーを跳ね除けて、『いける』っていう強いメンタルがあればいいんだけど、もともとメンタルが弱いんで......。そこが今、自分にとって一番の課題かなって思いますね」

 清武の技術レベルの高さは、誰もが認めている。遠藤保仁も「キヨの技術は、真司と変わらないよ」と絶賛する。

 しかし、元チームメイトで、清武のことをよく知る播戸竜二は、「あいつの弱点は、ここやね」と、胸を叩く。極端な人見知りという性格的なものもあるのかもしれないが、ハートの弱さは自他ともに認める弱点なのだ。

「ほんと、そこっすよね。プレッシャーにめちゃ弱いっすからね、オレ。メンタルが強ければ、どんな状況でも強気でいけるし、ミスしても次、次って、切り替えてプレイすることができる。でもそれって、日本ではなかなか鍛えるのは難しい。今回、ドイツに移籍するのも、そこを強くして成長したいっていうのがあるんです。技術は日本人のほうがあるけど、外国人選手はみんなメンタルが強いじゃないですか。だから自分も、知らない人ばかりの中に放り込まれてひとりでプレイするようになれば、メンタルが鍛えられるだろうし、自らのプレイもブレずに戦えるようになると思うんですよ」

 はたしてメンタルの問題は、清武の言う内的な要因だけなのだろうか。例えば、ザッケローニ監督やチームメイトからの要求が、複雑かつ高度なため、それが負担となって自分自身のメンタルに影響している、そうした外的な要因もあるのではないだろうか。

「いや、それはないです。圭佑くんからは『好きにやれ』と言われていますし、ヤットさんにも『(自分の)思いどおりにやればいい』とサポートしてもらっています。だから、ほんと、代表でプレイするのはすごくやりやすい。監督からの指示は、練習のときは守備のことが多いですね。試合では、交代で入るときの状況によって違います。オマーン戦のときは、『守備を意識して入ってくれ』と言われたし、オーストラリア戦のときは『点を取って来い』と言われました。難しいことは言われないので、プレイしやすいですけど、だからこそ自分の役割を果たしたいし、果たせない自分が悔しいっすね」