【日本代表】岡崎慎司「南アW杯の頃とは選手個々の意識が違う」

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 迎えたオーストラリア戦、序盤はロングボールを蹴ってくる相手への対応に苦しみ、なかなかリズムに乗れなかった。それでも徐々に挽回して、日本の攻撃が相手を圧倒するようになっていった。相手に押されたままで終わることなく、劣勢を押し返して主導権を握ったのだ。そして、結果は1-1のドロ-で終わった。岡崎は、完成度を推しはかる手応えを感じることはできたのだろうか。

「チームとしては、悪くなかったと思うけど、どのくらい強くなったかはわからない。完成度と言われても……、やはり難しいですね。(退場者が出て)相手もひとり少なかったですし……。そんな中、アウェーでもアグレッシブに攻撃できたし、チャレンジの姿勢を見せられたことは収穫だったと思います。ただ一方で、オ-ストラリア戦では、チームよりも自分自身の課題が多く見つかった。トラップミスしてシュートを打てなかったし、フィニッシュのところでアイデアもなかった。もうちょっと落ち着いてプレイしたり、ドリブルを仕掛けるタイミングも考えたりしないといけない。結果を出していかないと、代表じゃ生き残れないんで……。『自分がもっと成長しないといけない』と実感させられた3試合でした」

 ヨルダン戦後に見せた柔和な笑みとは異なり、岡崎の表情は強ばったままだった。チームの本当の力をはかりかねているとはいえ、着実に進歩していることは実感している。ただそこで、結果を残せない自分が歯がゆいのだろう。

 だが、これからも高いポテンシャルを持つチームで活躍できるように、自らやるべきことは再確認できた。それをこれからどのくらい達成していけるか。日本代表のチーム力をさらに押し上げていくためにも、岡崎の進化は欠かせない。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る