【日本代表】岡崎慎司「南アW杯の頃とは選手個々の意識が違う」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 益田佑一●撮影 photo by Masuda Yuichi

 選手たちは、オマーン戦からわずか5日間で課題を修正し、すかさず結果を出した。南アフリカW杯から、わずか2年。遠藤保仁、長谷部誠、本田圭佑という主軸は変わらないにもかかわらず、最終予選に入ってからの日本の強さには、突き抜けたものが感じられた。いったい、何がここまで日本を強くしたのだろうか。

「それは、意識ですね」
 岡崎は、即答した。

「みんな、長い間一緒にやっているのでイメージの共有はできている。その中で、立ち上がりから仕掛けて点を取る、という意識でプレイしている。それは、南アフリカの経験があるからだと思います。あのときは、攻撃したくてもバリエーションが少なかったし、守備をするのに精一杯だった。ベスト16のパラグアイ戦も、攻撃の手段があれば勝てた試合だった。そういう悔しさがみんなの中にあるし、忘れていない。あれから、今は個々の能力が上がり、個人で打開できるようになった。最初からガンガン前に行くし、点を取っても満足しない。その意識の高さが、この2連勝に出ていると思うんです」

 個人の能力が飛躍的に向上しているのは、海外での経験が生かされていることに他ならない。それは、個々のプレイを見れば容易に理解できる。ヨルダン戦では、その個を生かしたコンビプレイの精度と破壊力が増し、点を取ることに妥協しない姿勢まで築くことができた。まさに、岡崎の言う意識の高さが結果に表れたわけだ。

 ところで岡崎は、チームの完成度について、最終予選2戦を終えた時点ではどう見ていたのか。

「チームの完成度は......、う~ん、強い相手とやらないと、本当の力も含めて『わからない』というのが正直なところですね。アジアはアジアでやりづらい面がありますが、世界はもっと厳しいですから。でも、オーストラリアはアジアの中でも飛び抜けたチームなので、そのオーストラリアと3戦目で戦ったとき、どれだけやれるか。また、アウェーの中でどれだけ戦えるか。そういった点が、現在のチームの完成度をはかる、ひとつの目安になると思います」

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