【日本代表】遠藤保仁「南アW杯もチームが崩壊するかどうか紙一重だった」 (3ページ目)

  • 佐藤 俊●文 text by Sato Shun
  • 説田浩之●撮影 photo by Setsuda Hiroyuki

 最終予選を前に、遠藤の気持ちは以前ほど高揚することはない。いきなり3試合続くが、「ホームは勝って、アウェーは負けなければいい」と、予選突破のセオリーを守るだけだ。遠藤が今考えているのは、予選を早く終え、W杯で戦える強いチームを作ることである。

「ドイツW杯のときは、いくら優秀な選手が集まっていても、チームがひとつにならないと意味がない。ひとつの結果で、良くも悪くもなる。チームは『生きものやな』というのを痛感させられた。南アW杯のときも、直前のチームの雰囲気は決してよくなかった。逆に(初戦で)勝てたことで、チームはひとつにまとまった。もしかしたらドイツと同じ目に合う可能性もあったけど、ほんと紙一重の差だった。そのとき思ったのは、ブレるチームはダメだってこと。スペインみたいに勝敗に左右されず、簡単には崩れないスタイルを作りたい。その中で誰が出ても安定した戦いができる、そういうチーム作りをしていかないといけないと思う。難しいけどね。それができたら南アW杯を越える結果を(ブラジルW杯で)出せるんじゃないかって、オレは思っている」

 ブラジルW杯まで、あと2年。遠藤にとってスタイルの構築こそが、チームを完成させる残り20%のピースになる。

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